■ 家庭学習教材だけで十分か
【家庭での学習方法】
中学受験で出題される問題のレベルは、小学校の授業で習うレベル(学習指導要領の範囲内)と比べると、非常に難しくなります。
学校の授業や宿題をしているだけではなかなか入試問題を解答することができないのが現状です。
実際、入試問題を見てみると、学校とは別の対応をしなければならないということが実感できます。
その対策として最も一般的なのが学習塾、それも中学受験を前提とした進学塾に通うことです。進学塾への通塾の実態やその効果については「塾の必要性」でも触れましたが、中学受験対策としてのメリットは大きいと言えます。
しかし、進学塾に通うには費用も高いし、近くに適当な進学塾もないといった親の都合からくる理由や、子ども自身が性格的に塾に合わないとか行きたがらないなど子供の性格や意欲からくる理由により通塾が難しい場合には家庭での学習で対応していくことになります。
子供の性格にもよりますが、中学受験に対する意欲があり、一人でもどんどん問題をこなせていけるようなタイプであれば、通信添削やネット塾などで対応することができると思います。
やはり一人で中学受験までにこなさなければいけない膨大な勉強量を計画的に進めていくのは難しいという場合には家庭教師などを併用した形で対応することも考えられます。
中学受験用の通信添削教材には「小学生用教材の評価(受験用)」で触れたようにZ会小学生受験コースがあります。
Z会小学生受験コースでは中学受験に対応している多くの大手塾と同じように小学校4年生からカリキュラムがスタートして、6年生の夏休み前ぐらいまでに全範囲を終えて、受験までの残りの期間を志望校に合わせた対策に費やすという内容になっていて、カリキュラム的には中学受験対策としては十分な内容ではないかと思います。
【家庭学習と通塾の違い】
ただ、家庭学習を中心に中学受験対策をしていく場合にはどうしても勉強が遅れ気味になったりします。長時間机に向かって1人で勉強するというのは大人でもなかなか出来るものではありません。また、志望校に関する情報が不足気味になったり、自分の学習レベルがなかなか把握しづらかったりといったこともモチベーションを維持していくためには問題になります。
さらに、テストなどの成績が芳しくない場合には家庭で進めている勉強が本当に受験に役立っているのかという不安もつきまといます。そのため、家庭学習だけで中学受験対策の全てをまかなうということは難しいのが実態ではないかと思います。
したがって、進学塾の夏期・冬期講習の受講や個人指導型の塾の短期的な通塾など、短期的な塾の活用や、全国レベルの模擬試験を活用するなどといったことがどうしても必要になってきます。
ただ、それでもカリキュラムの管理は子供自身あるいは親が行わなければなりません。膨大な勉強量をこなしていくにはある程度強引に進めるべき時期が必ずあるはずなので、そこを親がうまくコントロールできるかどうかが鍵になると思います。
私(管理人)も小学生のときに経験ありますが、塾に通っていれば、周りも同じように勉強している環境に身をおくことで、ある程度強制的ではありますが、長時間にわたる勉強も慣れてきたりします。
また、遅れていたとしても周りの友達あるいはライバルが刺激になったり、塾側でもクラスを変えるなりの対応はあるはずです。
【勉強を続けるための環境作りが重要】
以上のようなことを考えると、それなりのレベルの中学を受験するのであれば塾に通うメリットは大きいといえます。
ただ、家庭学習でも中学受験に必要な内容を学ぶためのカリキュラムや情報はZ会などの通信添削教材や短期の通塾などでも十分カバーできると思います。
いずれにしても重要なことは子供が物理的にも精神的にも勉強に打ち込める環境をいかに作るかということであると思います。
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