■ 家庭学習のメリット
【ゆとり教育により、学習量が不足している】
コラム「学校の勉強だけで十分なのか?」でもふれましたが、家庭学習が必要な理由として、
ゆとり教育による学習量の減少が大きな理由の一つになっています。
ベネッセ教育開発センターの調べによると、ゆとり教育は2002年から本格的に導入されましたが、実際には学習内容の削減は
80年代から徐々に進められ、20年前と比べると中学校では3割減っています。数学は2割5分、理科と社会は4割ということです。
このようなゆとり教育で学習内容が軽減されたことにより、子どもたちが勉強しなくなったということも指摘されるようになっている
そうです。確かに私(管理人)が小・中学生だった25~30年前で学んだ内容と息子の教科書の内容とでは明らかに少なく感じます。
理科と社会に至っては、これで小学3年生からやっと理科と社会という科目が登場するといった状況です。
文部科学省としては授業内容を易しくすることで、生徒の8~9割は学習内容を理解できるようになるだろうという目論見だったよう
ですが、実際、中学校で「授業が分かる」と答えた生徒はわずか4割に過ぎないという結果がでていて、学習の量は減るし、
理解力も低下していくという悪循環に陥っている状況です。
【重要視される家庭学習】
授業内容の理解力ということで言えば、小学校においても1クラス40人近い生徒がいれば、先生が一人ひとりに対応した形で理解
させることは非常に困難であるといえます。子供の方も、苦手なところはそのままにしてしまいがちです。
このようにただでさえ理解力が低下気味な状況であれば、家庭での復習や補習は不可欠なものになります。学校の状況を把握して、
家庭学習をうまく連動させる必要があるということです。
学校の勉強を補う方法としては補習塾に通わせることも手ですが、まずは家庭での学習を考えると思います。
その家庭での学習方法の1つとして通信教育があります。 毎月、家庭学習教材が届いて自宅で学習する方法で、大抵の場合、
教科書に沿った内容のテキストと演習問題がセットになった教材で、教科書以上にていねいな解説が記載されているので、分からない
箇所の補習には最適です。
また、教材によっては、添削問題がセットになっており、自宅で問題を解いて郵送すると、数週間で添削された問題が戻ってきて、
つまづきの原因を把握することができるようになっています。このように第三者のサポートが得られるという面では補習塾の要素を含んだ学習スタイルで
あるといえるかもしれません。
【家庭学習のメリット・デメリット】
このような教材をうまく利用して家庭で学習することのメリットとしては次のようなことが挙げられます。
・自分のペースで勉強できる。
・自宅で勉強できるため、学習環境に安心感がある。
・通塾の煩わしさがなく、効率的。
・塾に比べて費用が安くすむ。
・親が子供の理解度を把握しやすい。
・自分に合った教材を自由に選べる。
一方で次のようなデメリットもあります。
・低学年や一人ではなかなかできない子供の場合、演習問題の答え合わせや間違った箇所の解説などは親が行わなければならず、
負担が大きい。
・自分のポジションを把握しにくく、競争がないため、危機感や深刻感に欠ける。
・自宅で気軽にできる反面、やらなくてもそのままにしておけるため、進度が遅れがちになる。
以上のようなメリット・デメリットを考慮しながら、自分の子供が一番能力を発揮しやすい環境を選んで、不足しがちな学習量を
補っていく必要があるのではないかと思います。
なお、家庭学習に対する学習塾の効果については塾の必要性で触れていきます。
⇒ その他コラムはこちら