■ 中学生用教材の評価2
【教材の比較~教材の量と難易度】
中学生用教材の評価1で取り上げた家庭学習教材の1か月分の勉強量と難易度を比較します。学年によって分量が異なるので、ここでは2年生の教材で比較してみます。
1か月分を完了させるために必要な1日の勉強量※1で見てみると、次のような順番になります。
※1 勉強時間の対象は各教材のメインとなる本誌・テキスト・ドリルとし、夏休みや冬休み用の特別教材やオプション教材は含みません。
※2 天神と学研マイティーネクストVは、購入時に教材はすべて提供されているため、先に進めようと思えばいくらでも進めることができます。学習時間は学校の授業の進度に合わせた場合の目安です。
Z会の勉強時間は英数それぞれ1科目あたりです。5科目全て受講した場合は2時間程度が想定されます。また、進研ゼミ中学講座はハイレベルを選択した場合、20分以上要することが想定されます。
Z会以外の教材は英数国社理の5科目のいずれかを毎日1-2教科ずつこなしていくスタイルです。Z会と進研ゼミは月1回添削問題があります。
難易度的にはZ会、特にトップレベルの場合、添削問題の難易度は他の教材と比べると全く別物といった感じです。同じZ会でもスタンダードレベルであれば問題の質は異なりますが、難易度的には他の教材とあまり変わらないと思います。
【教材の比較~教材の費用】
一方、費用ですが、5科目の12ヶ月一括払いの場合、高い順に並べると次のようになります(Z会のみ作文を加えた6科目)。
1 |
学研マイティーネクストV:356,400円 |
2 |
Z会中学生コース:174,900円 |
3 |
進研ゼミ中学講座:59,760円 |
4 |
中学ポピー:46,200円 |
5 |
がんばる舎エース:8,580円 |
6 |
スマイルゼミ:6,980円 |
- |
天神:非公開 |
※天神は費用が公開されていませんが、費用としては高い部類に入ります。
この順番で分かるように、分量が多く、独自カリキュラムの教材は高くなります。当然といえば当然ですが、同じように添削問題のある教材でもZ会中学生コースは進研ゼミ中学講座の約3倍でダントツに高いです。実際には苦手な科目のみ受講するというやり方がリーズナブルかもしれません。
一方、その他の教材は教材の構成もシンプルなので、このように安い費用になっています。とりわけがんばる舎エースやスマイルゼミは年間の費用が1万円に満たないという驚異的な安さです。
【各教材の評価】
全体的に見ると、Z会中学コースは分量が多く、難易度も他の教材と比べて教科書よりも一歩踏み込んだ内容や応用問題も扱っていて、やや高度な内容になっています。
その他の教材はいずれも教科書準拠で難易度や分量も標準的なものだと言えます。
なお、進研ゼミ中学講座の「ハイレベル」(英語と数学のみ)を選択した場合には難関校の受験を意識した内容になっているので、難易度はやや上がると思います。
また、がんばる舎エースは教材が練習問題中心のプリントのみという非常にシンプルな内容なので、分量的には他の教材よりも少なく、取り組みやすい教材であると言えます。
スマイルゼミは、タブレットでの記述式解答という大きな特徴を持った教材で、自分の回答した内容やその結果がデータとして蓄積でき、弱点克服に適した教材だと言えます。
天神も同様に、パソコン教材という特徴から、勉強した個所は管理されていて、自分のできなかった問題は一目瞭然なので、弱点克服に適していると思います。
どの教材を選ぶかは学校の補習や塾の補強など利用目的によりますが、継続できるということが最も重要です。私(管理人)も中学や高校の時Z会を受講していましたが、欲張って難易度の高いレベルや多くの科目数を選択してしまい、中途半端に終わってしまった苦い経験があります。
Z会中学コースを全ての科目で受講するのではれば要する時間を考えても塾との併用ではなく、Z会のみにしぼった家庭学習で十分受験準備をまかなえると思います。また、費用もばかにならないので、まずは必要最小限の科目数から始めてみて、徐々に科目数を増やすなりレベルを上げていくなりしていくことをお勧めします。