ふと気付くと、去年からバイクに乗っていなかった。
これは、イカン!
と言う訳で、ツーリングに行こうと思い立つ。
が、しかし!!
ささやかながらも出世した今、長期の休みは自粛すべきと考えた。
(自粛したという事にしておいて下さい)
ってな訳で、一泊で良いから何処かへ行こうと思い付いたのです。
幸い、シフトに三連休があったので、ツーゴーを読みながら、何処へ行こうかと考える。
ちなみに『ツーゴー』とは、私が愛読しているツーリング雑誌である。
私は、毎月ツーリング雑誌を購入しているのだが、その遍歴は『オートバイ』→『アウトライダー』→『ジパングツーリング』。
そして『ツーリングGo! Go!』となっている。
ツーゴーには、0円マップがあるので、重宝するのだ。
(今はジパツーにもあるが、昔はなかった)
それはともかく、何処に行こうか。
う〜ん………
ツーゴーの「マイ・ベストロード」の特集を読みながら、考える。
う〜ん………………
ここで良いか。
気持ち良い道、関東圏第三位。
しかも、一泊で行ける距離。
「志賀・草津道路」に決定である。
志賀・草津道路は、国道292号の事で、昔は有料道路だったらしい。
日本で一番高い所にある国道との事だ。
だから何だという感じだが、特に行きたい所もなかったので問題はないだろう。
安直ではあるが。
いんちょの
ツーリング日記
群馬・長野編
その1
2004/7/1 曇りのち晴れ
6:00 出発。
外環から関越自動車道を通り、10:15 軽井沢駅到着。
えらく、迷ってしまいました。
途中、外環で分岐を間違え、一度高速を降りるわ、関越で降りる場所を間違え、かなりの遠回りをするわ、随分と時間をくってしまいました。
非道い目にあいました。
と言う訳で、軽井沢駅の写真を一枚撮る。
軽井沢駅 |
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避暑地として有名な、軽井沢。
だが、ツーリングで来る所ではないなあと、個人的には思った。
少なくとも、下調べなしに通りすがる場所ではないだろう。
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今回のツーリングから、駅の写真を撮る事にしたのだ。
それは、何故か。
以下に、その理由を語る。
ツーリングをする者にとって、日本一周は夢。
何時かは、かなえたい夢。
しかし、仕事を持つ者にとって日本一周など、それこそ夢のまた夢。
仕事を辞めたくとも、それなりに責任もあり、またその自負もあり、何より扶養家族が一人いる身とあっては、そう簡単に辞める訳にはイカンのだ。
結婚してる訳じゃないけどね。
そんな訳で日本一周は無理、と。
が、しかし。
ツーリング好きのはしくれとしては、日本一周は是非してみたい。
ならば、どうするか。
分割するしかないではないか。
一度のツーリングで、二・三県は、十分に回れる。
時間をかければ、一道一都二府四十三県も決して夢では終わらない。
で、その証拠として、その47都道府県の駅を写真に撮ろうと思った次第だ。
ああ、こんな事なら去年関西へ行った時も、駅を写真に収めるべきだった。
また行ってみせるから、良いけど。
とまあ、こんな理由で、軽井沢駅の写真を撮った次第である。
実際には、長野駅ならともかく軽井沢駅を取る必要は全くなかったのだが、そこはまあ勢いである。
それにしても、ここが避暑地として有名な軽井沢か………少しだけ、感慨深い物があった。
まずは、一服。
フゥ………
飽きた。
次、行ってみよう。
軽井沢から北上し、草津を目指す。
今回の目的の「志賀・草津道路」は、関東からなら当然、群馬県の草津から始まっている。
そして、草津と言えば、やはり温泉。
あまりよくは知らないが、それでも「西の河原露天風呂」くらいは知っている。
この温泉、何と広さが500m2もあり、道路からも丸見えという、何とも素敵な温泉だそうだ。
話のネタに、入ってみようと思う。
入浴料も\500らしいし、それくらいなら良いだろう。
国道292号を外れ、西の河原露天風呂を探す。
ふむ、この駐車場から行けるのか。
でも、有料。
………止めた。
って、いくら何でもそれは無いだろうと、自分で自分にツッコんだ。
駐車場を素通りし、他から行ける場所を探す。
ふむ、ここからも行けるのか。
でも、バイクを降りて歩かなければならない。
………止めた。
今度は、本当に止めました。
良く考えれば、今日は野宿。
良い場所を探すとなると結構時間を食うので、温泉に寄る暇などないのだ。
決して、歩くのが面倒くさかった訳ではない。
後で後悔したけど。
この頃は、特に温泉に拘りはなかったのだ。
ともあれ国道292号に戻り、そのまま「志賀・草津道路」を目指す。
空が近い。
そんな感想が浮かんだ。
志賀・草津道路。
そこには、空を遮る物が何もなく、とにかく空が広かった。
さすがは日本で一番高い所にある国道である。
でも、それだけ。
とにかくヘアピンが多く、へなちょこライダーの私にとって楽しめる道路では無かった。
と言うか、へなちょこの癖に道路を目的にすんなって感じである。
景色が変わるのも(緑の多い景色から石ばっかりの景色になる)、だから何だと思ってしまった。
出雲大社 |
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神無月(10月)に、日本全国の神が集まる事で有名な神社。
実際は後付けの俗説らしいが、本当のところは自分は知らない。
「いずもおおやしろ」と読むが、一般的には「いずもたいしゃ」と読まれている。
土砂降りの中で撮ったものだが、写真では今ひとつ分からないようだ。
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ちなみに私の好きな道は、空が広く只々ひたすら真っ直ぐに続く道。
視界に映るは、空の風景。
他に車は一台も無く、一直線に続く道である。
北海道を、イメージして欲しい。
無論、どんな道でも混んでいては台無しだが。
山道など、トラックやバスが1台前に走っているだけで台無しである。
志賀高原を経由し、長野県中野市に到着した。
この辺りに無料or低額キャンプ場が無い事は下調べがついているので、今日は野宿である。
千曲川のほとりに、テントを張る予定。
小諸なる古城のほとり雲白く………
こんな出だしで始まる千曲川を歌った詩があったと思ったが、それは千曲川のどの辺りの景色を詠んだ詩であったのだろう。
何しろ長いし、この川。
小諸の辺りなのは、間違い無いのだろうが。
少なくとも、この辺りでは無いだろう。
ちと、残念。
バイクで橋を渡りながら、テントが張れそうな場所をキョロキョロと探す。
(結構、危険。真似しても良いけど、自己責任でね)
それにしても、岸辺がこんなに開発されているとは思わなかった。
川辺は、果樹園がびっしりだった。
それでも、何とかひらけた川原を発見し、そこへ向かう。
ふむふむ、なかなか良い場所だ。
車が何台か駐車しているが、問題無い。
カップルが一組、川辺で水遊びをしていた。
夏には、子供達がここで泳いだりするのだろう。
うん、良い場所だ。
川原の端っこに砂地があったので、そこにテントを張る。
砂地の場所があって、良かった。
砂利の上にテントを張ると、寝るときちょっと痛いのだ。
川原では、仕方のない事だが。
16:00 テントを張り終え、勝利の一服。
フゥ、今日も煙草が美味い。
無論、吸殻をポイ捨てしたりはしないので、安心して欲しい。
携帯灰皿は、常備しているのだ。
ツーリングの時だけは。
川辺に腰を据える。
裸足となった足を川に浸し、途中で買っておいたビールを空けながら、煙草を味わう。
こんな時、私は大いなる幸せを感じるのだった。
川の流れを眺めながら、ぼんやりと時間を過ごす。
夕焼けが、眩しい。
遮る物が何一つ無く、夕日が私を照らしている。
気付けば、二本目のビールも空いていた。
いささか、眠くなってきた。
1リットル飲めば、そりゃあ眠くもなるさ。疲れているし。
テントに戻って一寝入り。
起きた頃には、夜であった。
湯を沸かし、ラーメンを作る。
その時、川原に車が入って来た。
何しに来たのだろうと思いつつ、ラーメンを作る。
ラーメンを食い終わった頃、車が出て行ったと思ったら、また違う車が入って来た。
何々だろうね、ホントに。
食後、ビールを飲みながらラジオを聴く。
今日は、満月。
空が、明るい。
ビールを片手に、外に出る。
今日は、本当に月が綺麗だ。
何となく、しみじみとする。
とその時、またまた車が入って来た。
何なのかね、本当に。
さっきから、約一時間おきに車が出たり入ったりである。
夜の川原に、何の用なのだろうか?
何も出来ないだろうに。
ナニも………ああ。
成る程。
どうやら彼らは、ナニをしているらしい。
人気も無く、確かに都合の良い場所かもしれない。
カーセックスに。
思わず、覗きに行こうかしらんと考えた。
覗かれた事はあっても、覗いた事は一度も無いのだ。
段々、その気になってきた。
幸い、今日はこんなにも月が明るい。
ああ―――気がつかなかった。
こんやはこんなにも
つきが、きれい――――――だ――――――
でも、テントから車まで、距離は約500m。
結構、遠い。
しかも、砂利道。歩きにくい。
故に、止めた。
期待した人、ごめん。
ビールも切れたし、もう寝よう。
そして私は、川のせせらぎとかすかに聞こえる喘ぎ声を子守唄に、眠りに付くのであった。
喘ぎ声は嘘だけどね。
その2へ続く
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