ふと、冬の日本海が見たくなった。


五木かぶれと、言う無かれ。


冬の日本海は、男の浪漫なのだ。


と言う訳で、私は今、日本海にいる。












自分でも、ビックリだ。










いんちょの
ツーリング日記



新潟・富山編


その1





2002/10/30



7:00に、家を出発する。

14:00に、新潟の石地海岸にテントを設営する。



片道、7時間かかりました。



とても、疲れました。







今日は、石地海岸沿いにあった、とある海の家の駐車場にて野宿である。

海岸沿いの駐車場にて


疲れたので、風呂入って、飯食って、寝ようと思った。

しかし、わざわざ日本海までやって来たのだ。

7時間もかけて。

やはり、荒ぶる海を見て、ひたらねば。


そう、ひたらねば。


ちなみに、太平洋は不可。

男なら、日本海。

更に言うなら、冬が望ましい。

って言うか、冬じゃなきゃ駄目。


十月のケツじゃあ冬じゃない、などとは言うなかれ。

実際寒かったのだから、これで良いのだ。







日の落ちた海を臨み、煙草の煙を(くゆ)らせる。

しぶく波を、ただ眺めながら。

野宿地の風景


良い感じである。

携帯灰皿がちとカッチョ悪いが、これもマナー。

致し方なし。







風が、吹いてきた。

良い感じである。

雨も、降ってきた。

良い感じである。

波が、激しくなってきた。

良い感じである。

横殴りの雨に、なってきた。

良い感じで………。

どしゃ降りに、なってきた。

良い感じ………



風が物凄い。

シャレにならないくらい凄い。

テントも飛ばされそうである。


もう………良過ぎ。


我、悟る。

男の浪漫とは、痩せ我慢と見付けたり!





………寝よ。







ふと、夜中に目が覚めた。

のそのそとテントを這い出し、海に向かって放尿をする。

どうやら、雨は止んだ様だ。

星は、見えない。

明日は、晴れると良いなあ。

そんな事を考えながら、蝋燭に火を(とも)す。

闇に慣れた目に、光が眩しい。

煙草に火をつけ、最後のビールをあける。


何となく、海を見ていた。

何をするでも無く、海を見ていた。

寄せては返す波を、見ていた。

ただ、見ていた。





その2へ続く




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