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体は何でできているか?

【細胞の集まりから組織へ】
 人、動物、植物などの生き物は細胞から成り立っているということは中学生の理科で習ったことがあると思います。 しかし、1つ1つの細胞がどのようにして皮膚、骨、臓器などになり、体を形作るのかはなかなかイメージできません。 ここでは特に人の体はどのように構成されているのかをみてみます。

 人は多細胞生物であり、細胞の数は60兆個ともいわれています。よく知られているようにこの細胞は核やミトコンドリア、 細胞膜などから成り立っていますが、これらの構成要素はタンパク質(アミノ酸)や脂質、糖質、デオキシリボ核酸(DNA) などの分子から成り立っています。突き詰めれば人の体は分子から成り立っていることになります。

 大まかに言えば、分子が集まって細胞になり、細胞が集まって筋肉や皮膚などを構成する組織となり、組織が集まって 胃や腸など体の器官となって人の体となります。

 それではもっと詳しくその成り立ち方をみていきます。
 まず、細胞から組織への成り立ちですが、様々な性質を持つ分子から構成される細胞も皮膚になったり、筋肉になったりと、 その役割によってさまざまな性質をもっていて、神経細胞、上皮細胞、線維芽細胞、骨細胞、筋細胞の5種類に分類されます。 これらの細胞のうち、似たような形や働きをもつ細胞どうしが集まることで組織ができます。組織には4種類 (上皮組織、筋組織、神経組織、結合組織)あります。それぞれの構成と役割は次の通りです。

上皮組織
 上皮細胞がお互いにくっついてできていて、体の表面や消化管、器官の内面を覆っています。
筋組織
 収縮自在の筋細胞が集まってできていて、腕や足の筋肉や内臓の筋肉となります。
神経組織
 突起をもった神経細胞が集まってできていて、刺激による興奮を伝える役割をします。
結合組織
 細胞と細胞が出す繊維によってできていて、組織どうしを結合させたり、体を支持したりします。

【器官から人体へ】
 次にこれらの組織が腸などの器官となります。例えば腸という器官は内面を覆う上皮組織と消化された食べ物を運ぶ扇動運動 をするための平滑筋組織とそれらを結合させる結合組織から構成されています。

 この器官が繋がりあって人体が構成されるわけですが、なぜこのようにうまく細胞や組織が集まって特定の機能をもったもの になることができるのかといえば、DNAの中にある染色体に人体の設計図が記録されており、その設計図どおりにアミノ酸が さまざまな形のタンパク質をつくり、細胞から組織、器官を形づくることができるためです。 また、それぞれの組織や器官はうまく連携をとって機能するために情報伝達物質をやり取りしているのです。