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内閣と国会

【国会と内閣は互いに関係しながら分立している】
 内閣と国会はそれぞれどのような関係にあるのでしょうか。

 まず、大きなくくりで見ると、日本の政治制度である三権分立の中の行政を内閣が、立法を国会が担っているという 位置づけです(司法は裁判所)。

 三権分立は一つの機関に権力が集中することによる権力の濫用や国民の人権侵害などを防ぐために、上記の三つの機関が互いに独立して役割を果たすというもので、立法権は法律を作ったり、廃止したりする機能で、行政権は国会で決まった法律や予算にもとづいて、実際に行政を行う機能のことです。

【内閣と国会はお互いを辞めさせることができる】
 ただし、日本では、お互いに独立しているとはいうものの、内閣(政府)は国会(議会)の信任の元に成立すると いう議院内閣制をとっています。つまり、内閣が国会の信任を失った場合、内閣は総辞職をして別の内閣に代わら なければならないということになります。

 加えて、行政府である内閣の首長(首相)は立法府である国会から選ばれるように、立法府と行政府の関係は 極めて近くなっています。

 なお、内閣が信任を失う場合には2通りあって、ひとつは内閣を組織している政党(与党)が総選挙で敗北して 議員数が過半数を割ってしまった場合で、もうひとつは国会(衆議院)から不信任決議を受けた場合です。

 最近の例では、参議院で民主党から提出された福田内閣に対する内閣問責決議(不信任決議とは異なり、法的効果はない) に対抗する形で、連立与党は「信任決議」を衆議院で可決させて、内閣は解散する必要はないということを明確に示しました。

 また、内閣が国会の信任を失った場合、内閣は総辞職をしますが、逆に内閣が自分たちの意見のほうが正しいと考えれば、 国会を解散させることができます。解散した場合は内閣の代表である首相が自分の考えと国会の考えのどちらが正しいか を国民に選挙で判断してもらうことになります。
 つまり、どちらの機関もお互いの機関を辞めさせることができます。

【大臣にはいろんなパターンがある】
 内閣は総理大臣を首長として、14人以内(特別の必要がある場合は17人以内)の国務大臣で構成されます。 国務大臣はその過半数を国会議員(たいていは与党所属議員)の中から選ばなければなりませんが、 必ずしも国会議員である必要はありません。

 また、すべてのポストに大臣を置かなければならないということもなく、逆に最近では内閣府特命担当大臣 (少子化対策/共同男女参画担当、防災/食品安全担当など)といったような世の中の多様なニーズに応える形で、 特命を受けたスタッフ的な大臣も多く見られます。