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仕事の種類

 世の中には、さまざまな産業、業種、業界、職種があります。ここでは「産業」「業種」「業界」「職種」の特徴と社会で担う役割についてみていきましょう。

【産業の種類】
 人々が生活する上で必要なものを採取したり、生産したり、提供したりする経済活動を「産業」といいます。「産業」はその内容によって、第1次産業、第2次産業、第3次産業に分かれています。
「第1次産業」は主に自然界に働きかけて、直接、富を採取する産業で、農業・酪農畜産・林業・漁業などがこれにあたります。
「第2次産業」は、第1次産業で採取した資源を用いて加工する産業で、建設業、製造業、鉱業などが当てはまります。
「第3次産業」は、第1次産業および第2次産業に当てはまらない産業で、小売業、宿泊業、飲食サービス業、医療・福祉業、金融業、情報通信業など、一般にサービス業と呼ばれるものです。

【業種とは】
「業種」とは、事業や商売の種類を意味します。「業種」の分類にはさまざまな方法がありますが、日本における産業全体の業種分けとしては『日本標準産業分類(大分類20、中分類99、小分類530、細分類1460)』を用いることが多くなっています。つまり、産業を仕事の種類ごとに細分化したものになります。
 例えば、農業・林業、漁業は第1次産業の業種、製造業、建設業、鉱業は第2次産業の業種、小売業、宿泊業、飲食サービス業、医療・福祉業、金融業、情報通信業などは、第3次産業の業種ということになります。

【業界とは】
「業界」とは、同じような商品やサービスを生産したり提供する人々の集団(会社や組織など)を指します。「業種」との違いは、業態の区分ではなく、扱う商品やサービスの種類に分かれていることです。
 例えば、自動車に関わる仕事なら自動車を作る会社(製造業)も自動車を売る会社(小売業)どちらも「自動車業界」、銀行や保険、証券などお金に関わる仕事なら「金融業界」、レストランなどは「飲食業界」、コンピュータ関連なら「IT業界」、新聞・放送・出版は「マスコミ業界」、航空・旅行・ホテルなら「観光業界」といった具合です。中には「業種」=「業界」というものもあります。

【職種とは】
「職種」とは、職業分類の一つの方法で、「職務内容(実際に行う仕事の内容)」や「必要とされる知識・スキル」が類似している仕事・職業をグループ化したものです。代表的なものに、商品やサービスを販売・提供する「営業職」「販売職」、商品の企画・開発・製造にあたる「専門職」「技術職」、人事・経理など企業の裏方を担当する「事務職」があります。同じ職種でも業界や企業によって仕事内容が異なる場合もあります。
 また、企業には「職種」のほかに「職掌」という区分もあります。「職掌」の概念は企業によって異なりますが、一般的に「総合職」「準総合職」「一般職」に分けることが多く、それぞれ業務への関わり方、役割が異なります。「職掌」は多くの企業で採用のコース分けに利用されています。