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金融機関の種類と業務内容1(銀行)

【銀行の業務は預金と融資が基本】
 銀行の業務の基本は預金者からお金を集めて、お金が不足しているところに金利をつけて融資するということです。 その他の業務としてはATMでの預金の出し入れ、振替、為替などの決済サービス(手数料で利益を上げる)や投資信託、 保険などの金融商品の販売などがあります。最近ではこれらの他にM&Aの仲介や資産運用のコンサルティングなども行っています。

【銀行業務を行う金融機関の棲み分け】
 このような業務を行っている銀行以外にも信用金庫や労働金庫など、銀行と同様の業務を行っているさまざまな金融機関があります。 それぞれどのような棲み分けは次の図のようになっています。

中央銀行
 日本銀行法に基づく銀行(日本銀行)
  
市中銀行
│ 
普通銀行
│ │ 銀行法に基づく銀行
│ │
│ ├ 都市銀行
│ │ 大都市に本店を置き、全国規模で営業展開する銀行
│ │  -【メガバンク】みずほ、みずほコーポレート、
│ │          三菱東京UFJ、 三井住友
│ │  -【その他】りそな、新生、あおぞら
│ │
│ ├ 地方銀行
│ │ 各都道府県に本店を置き、地域に特化して営業展開し
│ │ ている銀行
│ │  -全国地方銀行協会加盟64行
│ │  (七十七、横浜、八十二、福岡など)
│ │  大都市に本店を置き、全国規模で営業展開する銀行
│ │
│ ├ 第二地方銀行
│ │ 原則として、「相互銀行」とよばれていて、
│ │ 1989年にいっせいに普通銀行に転換した銀行で、
│ │ 地銀よりも小規模
│ │  -第二地方銀行協会加盟43行に信用金庫から転換した
│ │   八千代、破綻した第二地銀加盟行の営業を譲り
│ │   受けた東京スターを加えた45行
│ │
│ └ 新たな形態の銀行
│   -【インターネット】
│     ジャパンネット、イーバンク、ソニー
│   -【コンビニ、ショッピングセンター】
│     セブン、イオン
│   -【中小企業への融資】
│      日本振興、新銀行東京
│ 
信託銀行
│ │ お金だけではなく、不動産や株などの財産も預け、
│ │ その財産を管理・運用する信託業務を行うことの
│ │ できる銀行
│ │
│ ├ 個人向け信託業務を行う信託銀行
│ │ -三菱UFJ信託、住友信託、みずほ信託、中央三井信託
│ │
│ ├ 外国銀行系信託銀行
│ │ -日興シティ信託、モルガン信託、クレディ・スイス
│ │  信託など
│ │
│ ├ 金融機関または一般企業の子会社である信託銀行
│ │ -野村信託、りそな信託、オリックス信託など
│ │
│ └ 資産管理に特化した信託銀行
│   -日本マスタートラスト信託、資産管理サービス信託、
│    日本トラスティ・サービス信託
│ 
外国銀行
│ 銀行法第47条第1項に基づき銀行業の免許を
│ 受けた外国銀行の在日支店
│  -シティバンク、SC第一など
政府系金融機関(特殊銀行)
│ 郵便貯金などの資金から融通され(財政投融資)、政府を
│ 通じて、銀行などの民間金融機関では融資しにくい分野に
│ 長期資金を融資する金融機関
│ 
│ -独立行政法人住宅金融支援機構
│   2007年4月1日から旧住宅金融公庫の業務を引継ぐ
│ -日本政策投資銀行
│   2008年10月1日に特殊法人から民営化し、株式会社化
│ -日本政策金融公庫
│   2008年10月1日から国民生活金融公庫、中小企業金融
│   公庫、農林漁業金融公庫と国際協力銀行の国際金融
│   部門は統合され、株式会社日本政策金融公庫が発足
│ -商工組合中央金庫
│   2008年10月1日に特殊法人から民営化し、株式会社化
│ -沖縄振興開発金融公庫
│  
│ (2008年10月1日まで存在した銀行)
│ ・国民生活金融公庫→日本政策金融公庫に統合
│ ・中小企業金融公庫→日本政策金融公庫に統合
│ ・農林漁業金融公庫→日本政策金融公庫に統合
│ ・公営企業金融公庫
│   →2008年10月1日に全地方公共団体が出資して設立
│    した地方公営企業等金融機構に一切の権利・義務
│    が継承され、廃止
その他
    -整理回収機構、ゆうちょ銀行
  

協同組織金融機関
│ 
信用金庫
│ 特定地域の中小企業者、居住者のためのサービスを行う。
│ 元々は中位から上位の信用協同組合(信用組合)が移行
│ した業態であり、組織や営業の規模において、信用協同
│ 組合の上位に位置する。
│ また、非営利団体であるため、株式は発行していない。
│  
信用共同組合(信用組合)
│ 特定の地域の小企業、零細企業や勤労者のためのサービス
│ を行う。
│ 信用金庫に比べて、組織形態はより小規模で、銀行の融資
│ 対象となりにくい規模の事業者などを対象としており、
│ 事業において相互扶助的な色合いが強い。
│ また、信用金庫同様、非営利団体であるため、
│ 株式は発行していない。
│  
労働金庫
│ 労働金庫法に基づき、主に会員である労働組合・消費生活
│ 協同組合その他の労働者団体が協同して組織・運営する
│ 労働者のための金融機関。営利を目的とせず、会員全体
│ の消費、生活ための金融機関。営利を目的とせず、会員
│ 全体の消費、生活安定に対し低利融資を行う。
│  
農業共同組合(農協、JA)
│ 農民である組合員や地域住民の預金を受け入れ、営農や
│ 生活全般、また農民でない組合員の消費生活に対し融資
│ を行う。
│  
農林中央金庫
│ 農協や漁協の信用部門の上部組織。政府および農業協同
│ 組合
│ ・森林組合・漁業協同組合などを出資者として、農林債
│  の発行や出資者への貸し出しなどを行う。
│  特殊法人であったが、1986年に特別民間法人となり、
│  農林中央金庫法に基づく民間金融機関となった。
│  
商工組合中央金庫
  主として中小企業の金融の円滑化を目的として、政府と
  中小企業等協同組合・協業組合・商工組合などが出資して
  設立。業務内容は商工組合中央金庫法で規定されており、
  預金の受け入れ、貸し付け、手形割引、為替業務などを
  行う。
  2008年10月1日に特殊法人から民営化し、株式会社化。