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先物取引とは(リスク回避のしくみ)

【先物取引でリスク回避】
 デリバティブの一種で価格が相場によって変動する商品などについて未来のある時点での価格で 取引するように事前に契約することをいい、未来の価格変動によるリスクを回避するためのものです。 また、先物取引には価格変動を利用した投機的な側面もあります。

 リスク回避の側面を具体的な例で説明します。 例えば和菓子を作って販売している和菓子屋があるとします。和菓子屋では原料となる小豆を 購入しなければなりませんが、来年の小豆の価格が1トンあたり100万円を超えてしまうと、 設定している和菓子の販売価格では赤字になってしまいます。

 小豆の購入価格はその時点での相場で決まるため、順調に売り上げがあったとしても利益が出る保証もなく、 非常に不安定な経営状態になってしまいます。このリスクを回避するために小豆の先物取引を行ったとします。

【証拠金で確実に契約を履行】
 先物取引を行う際、小豆の販売価格全額を支払うのではなく、その一部である証拠金を担保 として取引を行います。このため、少ない金額で大きな金額の取引をするので少しの価格の変動 で大きな利益を得ることもあれば損失を被ることもあります。

 証拠金で取引するのは実際の価格で取引すると支払いができず、契約を履行できなくなる場合 の混乱を回避するための制度です。

 和菓子屋は先物市場でそのときの相場である1トン80万円で小豆を買います。 ここで80万円支払うのではなく、その一部を証拠金として納めます。これで来年必要な小豆を利益が でる価格で購入する予約ができたことになります。

 1年後、市場の小豆が1トン120万円になっていたとすると、和菓子屋は先物市場で1トン80万円 で購入した小豆を売却すれば120万円の収入となります。実際に代金のやりとりはないので、 手にするのは差額の40万円と返却される担保の証拠金となります。

 和菓子屋は小豆が必要なので、実際の市場で小豆を購入します。このとき支払う金額は120万円 となりますが、40万円の利益があったので実際には80万円で購入したのと同じことになります。

 つまり、1年後の市場では価格が値上がりしていても1年前に予約しておいた80万円で購入できる ということになります。和菓子屋は先物取引をしたことで赤字を回避できたのです。

 逆に1年後市場の小豆が1トン60万円になっていたとすると、和菓子屋は先物市場で1トン80万円で 購入した小豆を売却して60万円の収入となりますが、実際には昨年80万円支払った分の差額である 20万円を証拠金から減額されて残りの証拠金を受け取ることになります。

 一方で実際の市場で小豆を1トン60万円で購入しますが、失った20万円と合わせて合計で80万円 支払ったことになります。つまり先物取引をしていなければ80万円より安く小豆を購入できたのですが、 リスクを回避することからすれば意味があったということになります。



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