随 想(思いつくまま)

(9/3) ボランテア経験1年の総括
 
 町内にある高齢者福祉施設にボランテアとして関わることになって約1年が過ぎた。役割はデイ・サービス利用者のお相手である。当初は囲碁好きな利用者のお相手ということであったが、打つ人がなく、このところもっぱら無任所の遊軍で、何となく雑談しているうちに2時間が終わるという次第である。以下所感を記す。
 利用者は女性の比率が大きく、年齢も10歳程上で、認知度平均2.1と言うことだが、皆さん概して元気である。お話しするごとに人生の先輩としての尊敬の念が強くなる。総じて礼儀正しく、控えめである。
 一方、施設の職員のほうは利用者の孫に当たる年齢で、そのギャップは大きい。ともすれば先輩に対するというより、時には幼稚園児の対するような対応に違和感を感ずることもあるが、まあ一所懸命な執務ぶりである。
 施設も開設以来10年を超えると聞くが、その間のノー・ハウの蓄積と言う面では会社勤めの経験からすれば物足らないものを感ずる。おそらく人の異動が激しくそこまで手が回らないのであろう。利用者の人生経験の豊富さと職員のそれとの差は歴然であるが、これが宿命というものであろう。利用者のエネルギー発散の場がもっとあってもよいのではないか感ずるが、その最終責任は施設の側が負うとなれば、消極的にならざるを得ないことも理解できる。
 利用者はちょうど戦争を体験した最後の年齢層にあたる。この層がそっくりいなくなる時代がやがて来る。戦争に限らず、来し方をふり返って次に残したい一言を誰も持っておられると思う。雑談の中から珠玉の言葉を次の世代に橋渡しできることができればと思うこのごろである。