随 想(思いつくまま)

(8/15) 政権交代とは
 衆議院議員選挙を半月後に控えて、マニフェストが乱舞し、政権交代間違いなしと巷間姦しい。改革!政権交代!というと次に幸せが待っているようで、なんとなく希望に胸が膨らむ気持がするのだろうか。マスコミも盛んに喧伝する。結論からいえば交代しないより、したほうがいい。しかし政権が交代しても今の政治が良くなると思うのは幻想に過ぎない。政治の権力者が交代するだけで、政治がオバマのいう「チェンジ」するわけでもなんでもない。
 権力者の交代ではなく政治の交代ならば、旧来の政治の過ちを明らかにし、場合によっては成立した法律を廃棄して元に戻すなどしてこそ真の交代であろう。マニフェストという各論、官僚打破という方法論は聞こえてきても、大きな国の骨格、ビジョン、中国関係のスタンスなどを問う議論は聞こえてこない。おそらく従来の政治と本質的に変わらないのであろう。その辺を有権者はしっかりと見据える必要がある。
 「市民の意見」115号で武藤一羊氏は、自公政権の誤りを次の3点に要約している。すなわち@ブッシュのテロ戦争支持、日米再編の名のもとに米軍指揮下への統合、インド洋、イラクへの派兵など憲法を無視する政治。A日本を美化する右翼勢力が政権を支配し、この流れが主流化した(歴史の捻じ曲げ、教育の国家支配など)B改革のグローバル化によって、公共を解体して私営化し、財界の主張を政策化し、労働者の権利を否定し、貧富のさを広げ地域の空洞化と社会の荒廃を招いた。(以上は武藤氏の文章そのままではなく文責は私にある)。まったく同感である。これらの誤りを民主党はどう考えているのだろうか。別の路線に置き換えるという話は聞かない。同党が同じ穴のむじなであることの証である。
 かく言う私の投票の受け皿はない。憲法9条はどうなるのだろうか。新総理に目されている鳩山由紀夫氏はれっきとした改憲論者である。当面はまず自公政権の崩壊を見届けよう。しかし憲法9条は一段と窮地に追い込まれようとしていることを肝に銘記したい。