随 想(思いつくまま)

(7/21) ケニアへの手紙

親愛なるランカンワちゃんへ

お手紙を受け取りました。ありがとう。

別便で、イララマタク地域の状況、特にエンクトト小学校の事が書いてある報告や、ランカンワちゃんの写真も受け取りました。大きな木をバックに、木の苗を持っている、真っ赤なシャツを着た写真です。いちだんと成長され、嬉しいです。

今の日本の季節は雨季(6月上旬から7月上旬まで)が明け、本格的な夏を迎えました。9月の下旬まで暑い日が続きます。

 先日のお手紙に会った「茶色のウサギとバナナ」のお話面白かったです。日本のお話を紹介しましょう

むかしむかし、或るところに、おじいさんとおばあさんがいました。おじいさんが根元の光っている竹を見つけました。伐ってみると、竹の中から小さな女に子が出てきました。おじいさんとおばあさんはその児を大切に育てました。女の子は大変美しい女性に成長しました。お嫁さんに欲しいという男性がたくさん現れました。しかしすべてを断り、ある満月の夜、おじいさんやおばあさんに別れを告げ、月に帰ってゆきました。彼女は月に住む女性だったのです。「かぐやひめ」というお話です。

日本では月にはウサギが住んでいて、地球から見る月の模様は、ウサギが杵をもってお餅を搗いている様子だとされてきました。人工衛星が月に到着する時代になり、そんなことを信ずる子どもたちも少なくなりました。私は今も月にウサギが住んでいると思っています。

 家族の皆さんの健康を祈ります。また、お手紙をください。

閑話休題
 彼女からの手紙には必ず祖父母、両親から聴いた話が加わるようになった。アフリカ文学は伝承の文学と言われる。むべなるかなと、それを肌で感ずる。上記「茶色のウサギとバナナ」の話は、イソップの「キツネとブドウ」そっくりの話なのだが。これから返事には日本のおとぎ話を書き添えることになろう。