随 想(思いつくまま)

(7/14) 国家再生」を読む
 ジョンダワー著「敗北を抱きしめて」に触発されて、外国人は日本の現状をどう見ているのか気になり、ジャパンウオッチャーの一人ジェフ・キングストンの著書を読んだ。とかく私などは日本がよくない方向に向かっているとしか思えない悲観論者だが
彼の見方は少し違う。「失われた10年」と言われる1990年代日本が築いてきた経済的繁栄は崩れ去り、政府に対する信頼は地に落ちたが、国家再生に向けたダイナミックな変革が進行していると著者は指摘する。具体的には情報公開法の制定による透明性の向上と説明責任の浸透、市民社会の活性化等を揚げる。
 少子化・高齢化社会に向けて難題が山積しているとはいえ、日本の市民社会は着実に力をつけており、信頼を失った官僚政治に代わる新しい芽が期待されるという。日本もまんざら捨てたものではないという気がしてくる。

「国家再生」 日本復活への4つの鍵 2006,7,20発行 早川書店