随 想(思いつくまま)

(5/10) 憲法記念日に思う
 今年の憲法記念日集会は横浜みなとみらい臨港公園で開催された。例年、都心日比谷公園での集会では右翼の街宣車怒声のなかの集会、デモ行進にそれなりの意味があったが、ここ横浜臨海公園は潮風に吹かれながらの集会、晴天で何よりであった。参加者は開催者発表で3万人と多かった。安倍首相の暴走ぶりに危機感を抱いた人たちが集まったに違いない。
 このところ日本の進路は急展開、まさに風雲急を告げているように思う。あえて語弊を恐れずに言うならば、今までのような護憲、護憲と叫んでいるだけで良いのだろうか。もともと法律なるものは「こうあるべき」という理論は正義であり、守られるべきものであり、法治国家の根底がそこにあった。しかし、法律の根源たる憲法が首相によってないがしろにされ、司法がそれを黙認するという三権分立の崩壊の現状は法治国家の崩壊である。それは法律の持つ正義の世界ではなく、実力行使の世界である。護憲と叫ぶだけでなく、広大な権力に立ち向かう力の有無が問われている、そんな時代に入ったと思うのである。
 現憲法はアメリカに押し付けられたものだから変えるべきだという。押し付けられたことを否定はしない。今なおアメリカの属国であることも否定しない。その前提に立って、9条をもつ平和国家として世界から尊敬されるためには、自衛隊の解体など、とてつもない困難な道を打ち砕く力を必要とする。言わば護憲の実力行使の時代に入ったと思われる。省みて、「なるようになれ、明日は明日の風が吹く」という大多数の日本人の一人として、はなはだ頭が重い。自分にできるささやかなことを実行するしかないのだが、危機感は募るばかりの昨今である。
(閑話休題)
 5.3集会後、帯状疱疹を発症、一週間の安静を言い渡された。てっきり公園での集会で外国からの悪い虫に刺されたものと思い込んでいたら、正式な病名を聞いて唖然とした、幸い重傷でになく、これを機に久しぶりに更新したという次第。