随 想(思いつくまま)

(4/15) イラク人質事件に思う
 少数派を思い知らされる
 拉致のニュースが流れ、直ちに3人のHPにアクセスした。読むに耐えないひどい書き込みに唖然とした。「自業自得、自作自演、迷惑だ・・・etc」。また、それに近い意見が身近な友人知人にも多いことを知って、自衛隊は撤退すべきだと感じている私は、またしても少数派に属することを思い知らされた。
 勇気ある撤退
 予想どおり首相は「今撤退するのはテロに屈したことになる。断じて撤退しない」といち早く談話を発表した。「世界からテロに屈する弱い国のレッテルを貼られるとも」。私は撤退のいい機会だと思うのだが、平素から世界に誇る平和憲法を武器に、”世界各国と仲良くして行こうという”という旗色を掲げ、努力して来た国ならともかく、今更、勇気ある撤退と言っても、世界は納得しない。だから言えないのである。日本はそういう国になってしまったのである。
 心が貧しくないか
 人質3人の行動を外務省の警告を無視した身勝手な行動として非難する意見も多く耳にした。また週刊誌は個人のプライバシーを公然と興味本位に報道し始めた。私は米ソ冷戦構造が崩壊し市民が国家の枠にとらわれずに発言し行動するようになったことを高く評価している。国が国民の安全を守ることができなかったことを個人に責任転嫁しようとしたり、それに同調したり、報道の自由を主張して興味本位の記事を発信する心を貧しいと思う。今回の事件は小泉政権が理由なき戦争を始めたアメリカに追随したことに因を発していることを忘れてはならない。
 釈放!
 ここまで書いて来て、テレビは3人の釈放を報じている。元気で良かった。釈放されたのは誤解を怖れずに言えば3人自身の力に負うところが大きい。彼らの平素の行動を無視できなかったと思う。今回の事件はテロ集団の行動というより、イラクが国を挙げて占領軍から自国を守ろうとしてきたと見る。泥沼入りが懸念される。今小泉首相に望むことは自衛隊の撤退を検討し、アメリカに対し停戦を働きかけることである。
 時時刻刻、多くの人が殺されている。人の命はなにより大切なのだ。