随 想(思いつくまま)

(4/11) 改憲後を予告する2冊の本
「憲法は誰のもの」
 福島みずほ著「憲法は誰のもの」(明石書店)には、新憲法が制定され、日本が戦争する普通の国になると、我々の日常生活がどう変わるかについても言及している。著者は国会議員、弁護士という法律のプロであり、内容はアカデミックで、十分説得力がある。私がかねてから戦時中の体験を踏まえて懸念していることとほぼ一致する。
「日本の、次の戦争」
 濱野成秋著、ゴマブックス(株)発行の「日本の、次の戦争」は、改憲後あっけなく日本がテロの標的にされて滅びる様が書れている。公然たるアメリカとの軍事同盟関係が、イスラムから敵とみなされ、携帯原爆やサリンによるテロの標的になり、なすすべもなく1億人の日本人が死亡するのである。アメリカは改憲の前途が見えた06年の時点で、これを予見し司令部をグワムに避難する。アメリカは最期まで日本を擁護しない。何故か、それは本書に譲る。
「日本は略奪国家アメリカを棄てよ」
 日本に帰化したアメリカ人、トッテン・ビル著「日本は略奪国家アメリカを棄てよ」発行(株)ビジネス社は「アメリカは日本を守ると約束していない、アメリカの都合で自衛隊が生まれ、海外に派遣されると忠告する。
テロという新しい戦争

 新憲法が制定されると、旧憲法下の法律は全面的に改正される。その数は万を超えるといわれる。結婚は両性の合意で出来ると決めた民法も、黙秘権を認めた民事訴訟法も、改正されるだろう。隣組組織が復活し、思想調査に憲兵隊や特高警察が幅を効かすだろう。この辺までは私も同意して改憲反対の論拠にしている。
 しかし、小説「日本の、次の戦争」はそんな悠長なことを許さない。米軍再編で米軍のグワム移転を基地軽減と喜んでいる日本人の馬鹿さ加減を笑い、9条をなくしたことへの反省したときは既に日本は跡形もなく滅亡していると警告する。これを改憲反対の根拠として吹聴するには躊躇いがあるが、むげに否定できない怖さがある。