随 想(思いつくまま)

(3/4) ノストラダムス再読
 9・11は予言的中か
 「ノストラダムスの大予言」なるベストセラーには、”1999年7の月に恐怖の大王が空から降ってくるだろう”とあり、9.11事件は時のズレこそあれ、まさに空から大王の襲来ではないか、となれば予言は的中したのか、しかし9・11以来そんな話は聞かない。そこであらためて「預言者ノストラダムス」なる本を読んでみる気になった。
 預言者と予言者は異なる
 私の概念によれば預言者とは、イスラム教の始祖マホメットのように、全知全能の神から言葉を預かって帰った人のことである。神は自分の意思を托すべく、まず人から信用される正直な人物を預言者として選ぶであろう。マホメットも正直だけが取り柄の善良な一市民であった。ごく最近起こった奇跡では1917年のポルトガルのファテマが有名である。この時も神の言葉を預かったのは平凡な3人の娘であった。予言どおり神が降臨し”礼拝堂を建てるように”と預言したファテマは今や聖なる巡礼地として、全世界から信者の後が絶えない(私は94年ピースボートで地球を一周した際、オプショナルツアーで立寄った)。
 途中でギブアップ
 「預言者ノストラダムス」を読み進むほどに、彼はフランスのプロバンス地方出身の人物らしいが、かなりいかがわしい世俗の人物であり、わたしの概念からすると到底神が選んだ預言者らしくない。彼が次第に予知能力を身につける様が書かれているが、そもそも預言者の予知能力は神の能力のしからしむる処であり、人間の予知能力にはマユツバだと私は思っているので、最後まで読む意欲を失ってしまった。
 今は大破局の渦中か
 空からの恐怖の大王が何を意味するのか、”大予言”がベストセラーになった当時から議論の多いところである。すでに全生命を一瞬のうちに無にすることが可能な「核」を、既に人間は手にしている。9・11を契機とした果てしないテロの応酬が結局人間を破滅させてしまったという予言的中にならないことを祈る。妄言多謝。