随 想(思いつくまま)

(10/9) 首都圏一筆書きの旅、顛末記
 
宮脇俊三著「最長片道切符の旅」に触発されて、首都圏の片道切符ルートを作ってみた。距離をのばすというよりは、路線数、駅など、好みで作ってみた。作ったからには乗ってみたくなるのが人情。猛暑が去ったのを見計らい、実行に移した。以下はその実行録である。気のきいた写真がないのが残念である。
ルート〈乗車駅、乗車線、途中下車駅、乗車線)
 三鷹〈中央・各停)、新宿(埼京)、赤羽(東北本)、上野(山手・外)、神田〈中央・快速)、お茶の水〈中央・各停)、代々木(山手・内)、大崎(りんかい)、天王洲アイル(東京モノレール)、浜松町(山手・内)、東京(京葉)、西船橋(総武)、千葉(内房・外房)、大網(東金)、成東(総武本)、佐倉(鹿島)、成田、(成田)、我孫子(常磐・各停)、新松戸(武蔵野)、南浦和(京浜東北)、大宮(埼京)、川越(川越、八高)、八王子(横浜)、橋本(相模)、茅ヶ崎(東海道本)、大船(根岸・京浜東北)、鶴見(鶴見)。浜川崎(南部支)、尻手(南武)、立川(中央・各停)、吉祥寺下車。
 以上全行程キロ数は 約458.6キロ、所要時間 15時間55分(うち車中時間636分、乗換待ち時間319分)、通過駅数 196の旅であった。切符は首都圏ホリデー・パス(2,300円)を使ったが、りんかい線、東京モノレールをワープすれば、150円の切符で合法的に一巡出来るし、大宮のエキナカ商店街で買い物をすることも可能である(ただ下車駅の改札口からは出られないことは言うまでもない)。
 二つの想定外
 一つは、天王洲アイルでの、りんかい線から東京モノレールに乗り換えであった。机上の計画では単純に乗り換え時間4分をみていたが、地下3階の駅から天空のモノレール駅まで、その間いったん一般道路に出、更に信号設置交差点で赤信号で待たされるとは想定外であった。これで、京葉線で一列車遅れ(ドリームランド行きのギャルに進路を阻まれたのも一因)、東金線の1時間1本のダイヤに間に合わず、計画した時刻は無意味と化した。
 二つ目は、旅も終りに近づいた鶴見線にて。折り返し駅の浜川崎駅は、時刻表では線路が繋がっているが、実際には中断、駅舎も一般道路を隔てた別棟、更には両者とも無人駅である。やっと次の列車の乗客が現れたので尋ねて判明した、時間を大いにロスしたのである。都内にも無人駅があるとは想定外であった。
 旅をした実感は皆無
 乗り換えの連続で旅のゆったり感がないためか、計画の達成感もないに等しい。車両はいずれも両側2列形式の電車、乗客は日常生活人、旅の出会いとしての会話もまずない。地方の駅の売店もその地特産品があるわけでもなくコンビニ化され、大きな駅はいわゆるエキナカ商店街が派手にオープンしている。車窓を見ながら一献傾けようにも電車形式座席ではままならず(途中で缶ビールを飲んだが、雨の日のも関わらず傘も持たず飲んでいるこの輩は、漂泊車中生活者ではないかと胡散臭い眼差しで見られたかもしれない)、そして黙々として乗り換えを繰り返した旅、とても皆様にすすめできるシロモノではなかった。物好きな!としてお笑いあれ。

 (閑話休題)
 一筆書き切符は首都圏では、五日市線、青梅線など盲腸線は範疇外となる。全国ベースでは、四国一帯が本四架橋により範疇外となった(2ルートのJR連絡船がなくなったため)。
 また、最長片道切符に処狭しと押された途中下車印が、旅の勲章のようなものだった(今でも途中下車印を頼めば押してくれる)が、今回はすべて自動改札機を通ったので記録された磁気部分は、残念ながら肉眼では読めない。読めない切符でもOKというマニアがいれば喜んで差し上げるのだが・・・。