子供のための家庭学習教材比較

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■ 公立中学ではだめなのか

【中学受験の実際】
 少子化に伴う子供への教育熱の高まりが原因なのか、現在は中学受験のブームとまで言われるくらい、中学受験に対する関心が高まっています。
 この傾向は都会、特に地方よりも東京でより顕著です。

 ベネッセの調査によると、中学受験をさせようと考えている保護者の割合が、東京23区では全国平均の約3倍にのぼるという結果が出ています。これは2007年に実施された調査で、全国の公立小学校に通う6年生と保護者約1500組を対象にした調査で、中学受験をさせると回答した保護者の割合は、東京23区が36.9%、全国平均は13.2%ということです。

 この結果は都心に有名中学が多く、最近では公立の中高一貫校も増えていることが最大の理由だと分析されていますが、これは私(管理人)にも経験があります。

 私は地方出身者なのですが、小学校5年生のときに同じ市内の小学校に転校した経験があります。前の小学校は市内から少し離れた場所にあり、近くに国立や私立の中学はなく、その学校で中学受験する人はほとんどいないという環境でした。

 それが、転校先の小学校は市内の中心部に近い場所にあり、小学校の隣が国立大学の付属中学で、毎年多くの児童が受験しているという環境になりました。なにしろ、徒歩で5分とかからない場所にあったので、地元の公立中学(国立も公立ですが、ここでは市立中学の意味)に通うよりも断然近かったことと、周りが受験するということから、それまでは中学受験の存在すら知らなかったのですが、だんだん受験する気になったのを覚えています。
 ただ、これは親がそのように仕向けたのかもしれませんが、その気になったのは確かです。

 今思えば、転校していなかったら、中学受験は絶対にしなかったので、自分のいる環境によって大きく状況が変わるということを、身をもって実感しました。

【中学受験をする理由】
 近くに有名中学があるという環境以外にも、有名中学に通わせたいという理由はいくつかあります。
 ・中高一貫、あるいは私立大学の付属であれば高校受験や大学受験で苦労しなくて済む
 ・同級生に勉強のレベルが高い子が多く、子供の刺激になる
 ・学校が荒れていないので、安心して通わせることが出来る
 ・カリキュラムが充実していて、質の高い授業が受けられる

などといったところが一般的なところだと思います。

 逆に考えれば、公立中学は授業のレベルが低く、荒れていて、高校や大学受験に苦労するということが言えるかというと、そうではないと思います。あくまで比較の問題であって、確かに私立中学では高い授業料をとっているので、様々なカリキュラムが用意されていたり、生徒の学力も一定のレベル以上の子供が集まっているので、刺激になることは事実だと思います。

 また、一度、中学受験を決意すると、小学生ながらもなんとか合格して地元の有名中学に通いたいという見栄というかプライドといったものが芽生えてくるものです。そうなると、他の受験しない同級生と同じ地元の市立中学に通うことは負けたことになるといった感覚になってきたりすることもあるかもしれません。

 公立中学に通っていても、偏差値の高い高校を受験するためには進学塾に通ったり、通信教育などの教材を使ったりして、学校の授業とのギャップを埋めることは必要かもしれませんが、勉強に関しては公立でも十分補えると思います。

 実際、高校生になったとき学力が公立中学に行った子と私立中学に行った子で逆転していることはよくあることです。特に中高一貫校に通っている子供の場合、高校受験がないので、受験に対する危機感の違いかもしれません。

 ただ、公立中学の場合、全員が進学するわけではなく、学力のレベルも様々なので、周りの環境に流されやすい子供の場合は、注意が必要かもしれません。

【学校は荒れているのか】
 それよりも気になるのは、学校が荒れているかどうかということです。数年前にはよく学級崩壊ということが話題になっていました。それは中学に限らず、小学校でも起こっていることで、実際、私の長男が2年生のころ、担任の指導力不足のせいなのか、授業中にふらふらしたり、全く授業を聞かない児童がいたりして、問題になったことがありました。

 そのクラスの保護者会が頻繁に開かれて、校長がその対策に苦慮していました。授業中に保護者が交代で見るようにするとか、担任の他に補助の教員をつけるとか対策が講じられ、現在は幸いなことにクラスも変わり、担任も変わったことなどもあり、全く落ち着いています。

 その当時は、自分たちが小学生だった2,30年前には考えられなかったことなので、本当に学級崩壊というものがあるんだなというのが正直なところで、このような子供達が公立中学にそのまま行けば、当然中学でも同じようなことが起こってしまうので、自分の子供を公立中学に通わせても大丈夫かなと心配になりました。

 親としては荒れているといわれている公立中学に子供を通わせると、勉強に身が入らなかったり、いじめなどの問題も心配になります。 現在はマスコミの話題でも学級崩壊ということを以前ほど聞かなくなり、私自身も地元の中学が荒れているという噂も聞きません。地域などにもよると思いますが、自分の子供が通う中学の状況は把握しておくべきであることは確かだと思います。

 学級崩壊までいくと困りますが、公立中学ではいろんな家庭環境の子供が集まっているので、この先社会に出たときのためにも、そのような環境に揉まれて、成長できる場所でもあることや、小学校からの友人が多かったり、友達の家が近所なので遊びやすいし安心できるといった大きなメリットもあると思います。

 もう一つ大きいのが学費です。学費については別のコラムで触れますが、やはり私立は高いです。
 いじめ自体どこに行ってもあるものなので学校が荒れていなくて環境がよければ、公立中学はまず選択肢の第一候補になると思います。

 私も長男が4年生になったので、中学受験はどうしようかと考えることはありますが、子供の意見を尊重して子供自身が行きたいという中学を第一に考えていこうと考えています。

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