いんちょのツーリング日記


青森県編

その2




2008/6/26 晴れ

世界遺産である白神山地。
そこは、中央部の核心地域(コアゾーン)と緩衝地域(バッファゾーン)に分けられており、核心地域は白神の自然を守っていく為、入山が制限されている。
つまり基本は入山禁止であり、立ち入るには許可を取らねばならないのだ。
勿論、私は届け出など出していない。
当然、立ち入る事は出来ない。
ならば何をしに来たんだという事になるが、核心地域と違い、緩衝地域は核心地域に外部から人為的影響を及ばさないように指定されている地域なので普通に立ち入る事が出来る為、気軽に世界遺産にふれる事が出来るのだ。
そして、緩衝地域の中でもっとも気軽に立ち入る事の出来る場所であり、また見所のある場所が、「暗門の滝」であり、その入り口となるのが、ここ「アクアグリーンビレッジANMON」なのである。

そんな訳で、今日は暗門の滝を目指す予定だ。
元々、昨日ここに泊まったのは、そのつもりだったからでもある。
やはり日本人としては、一度くらいは日本の世界遺産の自然に触れなければ。
ついでに、近くにあるブナの森の散策もしてみよう。
という訳で、今日は自然を満喫三昧の予定である。
両方ひっくるめて、掛かる時間は往復で三〜四時間といったところだろうか。
まあ何はともあれ、まずは目覚めのコーヒーといこう。

撤収後のキャンプ地跡

バイクの右側辺りにテントを張っていた訳だ。 8:00に撤収を開始し、9:30に終了。

そして10:00に、暗門の滝を目指し、出発した。

これは、PCのデスクトップに飾るのを意識して撮ってみた写真である。
(左側の木の左横にアイコンが並ぶ感じ)





暗門の滝への入り口

間違っても遊歩道ではない。 これが、青森県側からの入り口。

歩道と書いてあるものの、サンダル履きなどではさすがに厳しく、キチンとした靴をお勧めする。

この手前に、寄付を募る小ぢんまりとした受付みたいな所と、ブナの森の湧き水を汲める場所がある。

白神山地森林環境整備協力者の証

一口いくらと決まっていたような…… 幾ばくかの寄付をすると貰える。

パウチされていて、結構良い感じである。

残雪

雪の量は、さすがにそんなに多くはなかった。 道の途中、この季節でもまだ雪が残っていた。

青森に来たのだなあと、改めて実感した。

ところで暗門の滝とは、白神山地の東側を流れる暗門川の、三つの滝の事である。
山の中にあるので、当然道は坂道。
基本的に、足場は厳しい。
実際道中は、最初の内は良いのだが段々と狭くなり、途中工事現場の足場のような道もありすれ違う事も厳しいような細い道もあったりするので、靴はキチンとしたものを選びたい。
ちなみに、日によってはこの細い道が大混雑だそうだ。

なんて事を考えている内に、第三の滝に到着した。

第三の滝

結構人が溜まっていた。 入り口から一番近い滝であり、落差は約26メートルとの事である。

第三の滝その2

特に説明する事はない。 横上から撮ってみた。

滝の真ん中辺りに虹が掛かっていたのだが、残念ながら写真ではよく分からない。

第二の滝

特に説明する事はない。 落差は約37メートルとの事である。

第二の滝その2

工事現場のような足場のパイプが、何かチープだった。 上から撮ってみた。

ここから川の水が流れ落ち、第二の滝となるのである。

ところで一番立派な滝である「第一の滝」だが、道中落石の危険があるとの事で、通行禁止であった。
残念。
まあ通行禁止といっても、道にロープが一本張られていただけなのだが。
この程度では、人によっては魔が差す事もあるのではないだろうか。
私はしませんけどね、そんな事。
ええ、大人ですから。

とある滝

ちなみに人っ子一人いなかった。 何処の滝かは忘れたが、落差は約42メートルとの事である。

それにしても、滝の全景を撮るのを忘れたのは痛かった。

もっとも、全景の写真は今一つ絵にならなかったが。

とある滝の水

そのまま飲めそうなくらいにキレイ。 さすがというべきか、水が本当にキレイだった。

で、感想だが、おそらく一度行ったら十分だと思うが、一度くらいは行ってみるのも良いだろう所だった。
また、道が厳しいとか先に書いたが、山道を登るよりは全然楽だった記憶がある。
で、余裕があったのでその帰り道、予定通りにブナ林散策道に寄ってみた。

後から思えば、これこそ魔が差したといえよう。
そう、魔が差したのだ。

ブナ林散策道にて

ほんっとうに疲れたさ…… 雰囲気的にはとても良い感じの所だった筈だが、坂道がとても大変で正直それどころではなかった。

いや、ホントに。

このブナ林も山の中にあり、山の中という事は当然坂道が多いのだ。
いや、ホント坂ばっかりだった。
特に、暗門の滝方面からはかなり厳しかった。
滝からの帰り道という事もあり、もうゼェゼェだった。
景色を空気を楽しむどころではなかった、もう本気で。





13:00 何とかアクアグリーンビレッジANMONに帰り着く。
いや、疲れた。
実に、疲れた。
本当に、疲れた。

後に耳にした話だが、地元のお勧めは「ぶな林散策歩道」から「暗門の滝歩道」に入るコースだそうだ。
逆のコースだと「ぶな林散策歩道」で急な上り坂が多くなり、ちょっと大変だとの事。
個人的には、ちょっとどころではなく大変だった。
散策という言葉から受けるイメージとは全く違い、何というか労働という感じだった。

休憩も兼ねて、レストランで適当にラーメンを食す。
で、現在14:30。
本来の予定では、これから白神ラインのダートを通って日本海に出る予定だったのだが、この道を通り抜けるには、約二時間半掛かるのだ。
勿論、道は舗装されておらず、砂利ダート。
さて、どうしよう……

うん、それ無理。

心がバッキリ折れているのに、そりゃあ無茶というものである。
という事で、昨日の宿泊予定候補地のもう一つだった、岩木山の桜林公園へ向かう事にする。
ここにもう一泊しても良かったのだが、あちらも少し気になるのだ。
無料だし。

という訳で、15:30に「岩木山桜林公園」(正確にはキャンプ場ではないがキャンプOKの公園)に到着した。
この公園、無料のくせに、地面はほとんど芝地といって良いくらいの草地である。
実に素晴らしい。
もっとも、ほとんどが斜めっていて、平らな場所はとても少ないが。
その辺りはもう、早い者勝ちだろう。
もしかすると、この公園は岩木山への登山のベースキャンプとなる場所なのかもしれない。





17:00 設置終了。
タープを張るのが、少し早くなった。
という事で日もまだ高いし、温泉に行こう。
目指すは、ツーリングマップルにもツーリングGoGoの0円マップにも載っている、百沢温泉である。
ちなみにお値段、\300也。
さすがに、徒歩圏内に温泉はなかった。
取り合えず、ガソリンを入れて夕飯のおかずを買ってビールを買ってから、温泉に入ろうとした。
ところが、近くにコンビニやスーパーが全くない。
色々探した挙句、結構離れた個人商店で、結局ジャガイモしか買えなかった。
わびしい。
ちなみに、ガソリンスタンドも近くには一軒しかなかった。





百沢温泉は、小ぢんまりとした温泉だった。
ここでビールが買えたかどうかは、記憶にない。
大事な事なので、ご存知の方は教えて頂きたい。
で、温泉入ってビールを飲んで(温泉入った後にすぐ靴下を履いたり服を着るのは私は嫌)、戻って夕食の準備をする。
今日の夕ご飯は、オカズがジャガイモしかないので、ジャガイモのふかしご飯と、ジャガイモいためである。
米は当然装備しており、今日はとても安上がりである。
……嗚呼、肉が食べたい。

食後にビールをちびちび飲んで、眠くなったので寝た。





夜中シュラフを抜け出し空を見上げる。
星は大して見えなかった。
ような気がする。
実は、もう覚えていない。
ハハン。



その3へ続く


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